国別の残業ルール
これらのページは、国ごとに、どこから残業になるのか、残業代がどの割増率で支払われるのか、1週間の上限は何時間か、法定の休憩はどうなっているのかを示します。すべての数字は根拠となる法令を明記し、確かでない項目は推測せず空欄のままにしています。
各国のページに載っている項目
国ごとに1ページを用意し、どのページでも同じ4つの問いに同じ順序で答えています。1日何時間を超えると残業になるのか、1週間では何時間を超えるとそうなるのか、通常の単価の何倍で支払われるのか、1週間の上限と休憩のきまりはどうなっているのか。構成をそろえているのは意図的です。2か国を直接見比べられるようにしておくことが、国境をまたいで人を雇うときや、複数の市場の取引先と働くときに実際に必要になる作業だからです。
各ページは、ルールを平易な言葉で述べた1文から始まります。スクロールしなくても答えが読め、解釈を挟まずに引用できる形にしてあります。その下に、数値としての基準、休憩のきまり、そしてその行の出どころである法令や労働当局のページへのリンクが並びます。
1つの国について1つの行を持ち、1日の基準、1週の基準、割増率、1週間の上限、休憩のきまり、出典、確認した時点という決まった項目で構成しています。項目が決まっているということは、比較できるということでもあります。どの国のページを開いても、探している数字が同じ位置にあります。確認した時点も各ページに記載しているため、どこまで新しい情報なのかが読み手にもわかります。
日本の残業代 ― 割増率と36協定の上限
日本の法定労働時間は1日8時間・1週40時間です(労働基準法第32条)。これを超えて働かせるには、労使協定、いわゆる36協定を結んで労働基準監督署に届け出る必要があります(第36条)。残業代は、1時間あたりの賃金に割増率を掛け、時間数を掛けて求めます。
割増率は法律で下限が決まっています。法定労働時間を超える時間外労働は25%以上、1か月60時間を超える部分は50%以上です(第37条第1項。60時間超の50%は2023年4月から中小企業にも適用されています)。深夜労働、つまり22時から5時までの時間帯は25%以上(第37条第4項)。法定休日の労働は35%以上です。これらは重なることがあり、時間外と深夜が重なれば50%、月60時間を超える時間外と深夜が重なれば75%、法定休日と深夜が重なれば60%になります。
時間外労働には上限もあります。原則は月45時間・年360時間で、特別条項を設けた場合でも年720時間以内、休日労働を含めて単月100時間未満、2か月から6か月の平均で月80時間以内、月45時間を超えられるのは年6か月までです(第36条第5項・第6項)。
見落とされやすいのが、所定労働時間と法定労働時間は別だという点です。就業規則で1日7時間45分や7時間30分と定めている職場は珍しくありません。この場合、所定を超えて8時間に達するまでの部分は法定内残業で、割増は法律上は求められず、就業規則の定めによります。8時間を超えた部分が法定外残業で、25%以上の割増が必要になります。計算ツールでは1日と1週のしきい値を変更できるようにしてあるので、8時間固定の計算で法定内残業が埋もれることはありません。休憩は、6時間を超える勤務で45分以上、8時間を超える勤務で60分以上が必要で、途中に与えることとされています(第34条)。
みなし残業や固定残業代を採用している場合でも、定められた時間数を超えた分は別途支払う必要があります。管理監督者に当たる人は時間外と休日の割増の対象外ですが、深夜の割増は対象です(第41条および第37条第4項)。役職名ではなく実態で判断されるため、ここは慎重に扱ってください。また、1日ごとの労働時間を切り捨てる端数処理は認められていません。
本ページは労働基準法の一般的な規定を説明するものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。就業規則や36協定の内容により取扱いが異なる場合があります。
数字の出どころと、計算ツールとの組み合わせ
すべての行に出典があります。ある国のルールが本当に不確かな場合、労働協約によって変わる場合、あるいは国ではなく業種の単位で定められている場合には、その項目は空欄にし、ページ上でそう明記します。空欄は情報であり、作り出した数字は危険です。
いくつかの事項は意図して範囲外にしています。労働協約は法律より手厚い条件を定めることが珍しくなく、業種ごとのきまりは一般的なきまりに優先し、制度によっては1つの数字では表せない形で対象者を区分しています。これらのページが示すのは法定の基準線であり、計算の出発点であって結論ではありません。一般的な情報提供であり、法的な助言ではありません。上に書いた日本の数字も日本にだけ当てはまるもので、国が変われば起点も割増率も変わります。
ツールを動かしているのも同じ表です。時間計算やタイムカードで国を選ぶと、その国の1日・1週の基準と割増率が適用され、残業の時間はフラットな合計に混ざらず独立した行として表示され、法定の割増率で計算されます。読んでいるページと、計算ツールが出す数字が、同じ1つの出どころから来ているため、両者が食い違うことがありません。
ページの数字は計算ツール側で上書きできます。就業規則の所定労働時間が法定より短い場合や、自社の割増率が法定より手厚い場合は、その値を入れて計算すれば実態に合った集計になります。国のページから計算ツールへは1回の操作で移動でき、選んだ国はそのまま引き継がれます。同じ1週間を2つの国の設定で計算して並べれば、どの基準とどの割増率が差を生んでいるのかがそのまま見えます。議論を印象ではなく条文に戻せるように、数字の横には必ず出典を置いています。
よくある質問
残業代はどのように計算しますか。
1時間あたりの賃金に、労働基準法で定められた割増率を掛け、残業した時間数を掛けて求めます。時給と時間を入力すると、計算ツールが国ごとの割増率を当てはめて同じ計算を行います。
日本の残業の割増率は何%ですか。
法定労働時間を超える時間外労働は25%以上、1か月60時間を超える部分は50%以上です。深夜は25%以上、法定休日の労働は35%以上で、時間外と深夜が重なる場合は50%になります。
深夜残業は何時からですか。
深夜の時間帯は22時から翌朝5時までで、この時間帯には25%以上の割増が必要です(労働基準法第37条第4項)。管理監督者であっても深夜の割増は対象になります。
月45時間を超えるとどうなりますか。
時間外労働の上限は原則で月45時間・年360時間です。特別条項を結んだ場合でも、年720時間以内、休日労働を含めて単月100時間未満、複数月平均で月80時間以内、月45時間を超えられるのは年6か月までとされています。
掲載されている数字はいつ時点のものですか。
各ページに反映時点を表示し、確認できるよう出典へのリンクを付けています。労働法は改正されるため、ページは法令そのものの代わりではなく、法令への入り口としてお使いください。